「正当な補償」とは
主に行政が個人の財産権を制限・取得する際に、その損失に対して公平で適切な金銭的補償を行うことを指します。
これは日本国憲法第29条第3項に基づくもので、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。」と規定されています。
【正当な補償の具体的意味】
1.実質的損失の回復
•補償は、財産を失ったことによる経済的損失を「実質的に回復する」ものでなければならない。
(例)土地の収用→市場価格に基づいた評価額を支払う。
2.公平性
•個人が一方的に不利益を被るのではなく、社会全体の利益とバランスを取る必要がある。
•所有者不明土地や森林の場合でも、公共利用や環境保全を理由に使われる場合は、相応の補償が必要とされる。
3.補償の方法
•金銭による支払いが原則。
•ただし、代替地の提供なども「補償」に含まれる場合がある。
4.手続的公正
•所有者に対して事前に通知・説明がなされ、異議申立ての機会が与えられることが必要である。